お腹が空いたから
10月某日、梅田さん(仮名)から手紙が届いた。私はワクワクして手紙の封を切った。
梅田さんは、4年前に刑事弁護を担当し、刑務所に面会に行っていた方。出所の目処がついたら連絡してほしいと伝えていたが、梅田さんからの連絡は一向に来なかった。コロナ禍において、一般人の面会は規制されており、こちらから会いに行くこともできなかった。中にいるときに難しければ出所したらすぐ手紙を書くか電話をしてと伝え、携帯電話の番号も教えていた。そんなとき、手紙が来た。正直ホッとした。
そして、手紙の内容を読み、絶望した。前科19犯だった彼は新たに罪を重ねていた。よく見ると差出人住所は茨城県の某警察署だった。
梅田さんは、刑務所を出所し、報奨金の7万円を数日で日用品や飲食代、宿泊費で使い果たし、実家にも滞在しづらく、とうとう帰るところもなくなった。持病もあり、働くことは難しい。生活保護は以前受けようとしたが、ダメだったから今回は申請もしなかったという。
そして、出所後1週間の彼がとった行動は無銭飲食。
動機は「お腹が空いたから」。
詐欺罪。検察官の求刑は懲役5年。
傍聴していて本当に悔しくて惨めでした。あともう1歩踏み込んでいれば、この老人を犯罪者に戻さずに済んだのかもしれない。被害者をうまずに済んだのかもしれない。無銭飲食をした後ではなく、犯罪をしてしまう前に私に電話をしてくれれば違った結果があったのではないか。自分への不甲斐なさと再犯防止の難しさに打ちひしがれてしまった。
ちなみに裁判所にたどり着くまで数週間かかりました。警察署に行ったら、拘置所に移されたということで不在。拘置所も土浦と水戸の両方を回って、ようやく本人と会えたのが公判の数日前。梅田さんがどこにいるのか探すのに何日も何日もかかった。。
ぜーったいに優しい世の中をつくると決意しました。私はあきらめが悪いんです!!!!ただ1人では絶対に出来ないので、一緒に社会を変えましょう!!仲間になってください!!
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