極寒の地で児童福祉を体感
松下政経塾第39期の須藤博文です。
2回目の素志集中期間に、北海道家庭学校という児童自立支援施設で5日間実習をさせていただきました。
北海道家庭学校は、北海道紋別郡遠軽町に所在しており、マイナス20℃を下回る事も珍しくありません。一面雪に覆われている家庭学校の広さは130万坪、なんと東京ドーム約90個分です。小中学校の分校や子ども達の寮だけでなく、スキーが出来る山、心を落ち着かせるための礼拝堂、子ども達が酪農をするための牛舎、花や野菜を育てるような大自然が広がります。その中で、子ども達はのびのびと生活していました。
児童相談所や家庭裁判所から来た子ども達が、寮長・寮母のもとで集団生活を行い、敷地内の小中学校に通っています。私も、その子ども達とともに、雪かきをして、丸太を運び、ご飯を食べ、バスケの練習をし、将棋をし、時にはテスト勉強を教えたりしました。
もちろん、児童自立支援施設ですから、携帯電話を使えず、無断外出や単独行動は許されない等の生活を正すためのルールはありますが、学校の門や玄関には、監視カメラもなければ、外からの施錠もしないという開放処遇を取っています。これは「閉じ込めるだけでは更生しない」という初代校長の留岡幸助氏の理念が100年以上も生きているからです。
現校長である仁原正幹先生は、北海道家庭学校において、子ども達は「よく働き、よく食べ、よく眠り、よく考える」生活の中で、少しずつ身体や心を整えていくのだとお話して下さいました。花を育て、野菜をつくり、牛を飼い、自然の中で、少しずつ素直になり、勉強の遅れを取り戻せるような環境がしっかりとありました。
少年司法や更生保護についても、北海道家庭学校で培われた児童福祉の考えが生かせることがあると感じました。
厳かな礼拝堂も、戦前から続く北海道家庭学校の歴史や遠軽の歴史を知ることの出来る本格博物館も無料で一般開放しているので、お近くを訪れた際は是非お立ち寄り下さい。
素志研修を受け入れて下さった北海道家庭学校に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
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